会いたい
「――俺にも、好きな娘がいました。高校の時ですけど。いいなって感じだけでしたけど、なんでか今まで忘れられなかったんです。
今にして思えば、何もしなかったから、忘れられなかったと思うんです。
何もしなかったから、かえって考えます。あの時うちあけていたら、もしかしたら、何か変わっていたかもしれないって」
「――」
「ずっと、それがひっかかってて、そんな時あなたの写真見せられて――あ、でも、似てるとか代わりとかじゃなく、ほんとに一目でいいなって思ったんです。だから、今度は後悔したくなかったんです」
「高木さん――」
私には、返す言葉がなかった。
ボーイさんが私達に近づいて来て、タクシーが来たのを報せてくれた。
私は高木さんに支えられて外へ向かった。
入口の自動ドアの向こうに、タクシーが見えた。
「ありがとうございます。本当にすみませんでした」
私はもう一度深々と頭を下げた。