会いたい

「律(りつ)!!」

 不意に、澄んだ響きの声がした。
 風のように、声は哀しみを解放した。

「――」

 振り返ると、扉の前に髪の長い少女が立っていた。
 幽霊とよく似た顔立ちの、透き通るように透明な印象の少女。
 切なげに、私の背後の幽霊を見つめている。
 それが、彼の待っていた恋人であると、私にはすぐにわかった。

「ごめんね、遅くなって……」

 静かに二人は近づいて、まるで特撮のように抱きあった。
 普通の恋人たちが交わす抱擁のように、互いをすりぬけることなく、当たり前のようにそうして寄り添っていた。
 演技ですら、こううまくはいくまい。
 力が、あたりに満ちていた。
 二人を中心にして、強い、視えない何かが感じられた。

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