丹朱の橋、葉桜のころ
ここ数日、うらうらと欲望の誘うに身を任せて、寝こけてばかりいた罪なのか。
それにしては、いささか重すぎやしないか。

天秤というものは釣り合っている形が理想だという。

これでは罪を乗せた皿ばかりに傾いて、バランスをくずし、つるりと落ちてしまうではないか。

第一、まどろみの淵で夢と戯れながらも、ボクはボクなりにこのイスの上で愛想を振りまくという任務をまっとうしていたつもりだ。
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