夏恋~小さくて素敵な恋~
「松岡!」
「えっ?」
急に名前を呼ばれ、立ち止まり振り向いた。
「おはよ。」
笑顔で塚原くんは言った。
「あ、お、おはよう!」
少し緊張しながら挨拶を返した。
「今日は頑張ろうな。」
「う、うん!」
まさか、挨拶してくれるなんて。
思ってもいなかった。
なんだか嬉しいような…気がする。
里「ちょっと塚原くん、あたしもいるよー!」
隣で里美が言った。
「ん?香川か。小さくて見えなかった!」
里「ちょっと!人が気にしてる事を!」
「ハハッわりぃ。おはよ。」
そのまま塚原くん達は行ってしまった。
その間、あたしはボーッと立っていた。
里「まったく…失礼だと思わない?」
「……………」
里「奈留?」
「………………」
里「おーい!なーるぅー!!!」
「えっ?あ、はいっ!」
名前を呼ばれていた事に気づき、あたしは我に返った。
里「なにボーッとしてんの?」
「ご、ごめん…。」