夏恋~小さくて素敵な恋~
「よっっっっしゃぁぁぁ!!!」
後ろから大きな声が聞こえる。
最後にボールを押し込んでくれたのは、キャプテンの竹田くんだった。
勝ったんだよね…?
ちゃんと勝ったんだよね⁉
「やったな松岡っ!!!」
喜びの声と共にあたしは強い力で抱きしめられた。
一瞬、何が起こったのか理解不能。
奈「やったぁー!!!」
里「奈留ー!!!優勝だよー!!!」
晴「ナイス~!」
奈々達の声やクラスのみんなの声も聞こえる。
けど……、
「松岡、よくやったな!」
いつもと違う距離で聞こえてくる声に鼓動が速くなっていく。
目の前に広がる光景は、塚原くんの笑顔で。
もちろん周りにも笑顔は溢れていたけれど
あたしの視界にいっぱいの笑顔が広がっていたのは、
塚原くんが喜びのあまり、あたしを抱きしめているからだ。