伯爵と妖精~新しい息吹~
「エドガー、言いたいことがあるなら言って頂戴!私が不満になったの?」
そう言うと涙が止まらくなった。
「別れるなら言って頂戴…、覚悟は出来てるわ」
声を振り絞ってだした。
「別れる?なんで…」
「だって…あなたが…」
言いかけた瞬間、リディアは突然の目眩に襲われ倒れた。
「リディア!」
エドガーが駆け寄ろうとしたら、ケリーが遮った。
「そこをどくんだケリー」
きつく言ったがケリーは同じず、
「嫌でございます。奥様は私が寝室までお運びします」
そう言ってリディアを寝室まで送ったら、エドガーの元に帰って来た。
「旦那様あんまりでございますわ…」
涙を拭いながらしゃべる。
「ここ毎晩帰りが遅い旦那様をお待ちになっていましたのに、それに…」
息きずまった様に言葉を止めた。
「それに…?」
「枕を濡らしておりました」
はっとした。
そして、気づいたら寝室に向かっていた。


リディアが目を覚ますと、誰かに手を握られていた。
「エドガー?」
体を起こすとエドガーが心配そうに見つめていた。
「リディアごめん…、僕のしてたことは間違いだったんだね」
「何をしていたの?」
「押してダメなら引いてみろ」
初めは訳が分からなかったが、説明を聞いてきやっと理解した。
「あなたって人は…」
「あぁ、ポールを攻めないでくれ」
「当たり前じゃないの!攻めるとしたらあなたよ!」
あれほど悩んだことが、エドガーの嫉妬からだったとは。
「でも君には辛い思いをさせてしまったね」
涙を拭いながら抱きしめられた。
「えぇ、辛かったわ…。まるでプリンスの時みたいだったから…」
「本当にごめんね、でも試したことに後悔はして無いよ」
満面の笑みをしたエドガーを見て、ため息がもれた。
「だって君は甘えてくれたし、心配だってしてくれた」
「それは、家族だから…」
素直に答えると、エドガーがキスした。
熱く降り注ぐキスに酔いしれていると、唇が離れた。
「ねえ、リディア」
「何?」
リディアを押し倒し、
「このままいいかな?」
「ま、まだ朝よ!」
真っ赤になってそっぽを向いたリディアの首にキスをし、
「僕は十分に我慢したし、朝だって関係ないよ」

伯爵家に産まれた新たな息吹は、より一層伯爵家を賑やかにすることだろうと、リディアは期待していた。
< 16 / 16 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:13

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

恐怖の世界
伯妖娘/著

総文字数/3,358

ホラー・オカルト8ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop