ありのままの、あなたが欲しい。
「こんな人にまで手出すなんて、叶も趣味悪くなったね」



──ブチッ。


彼女のその一言で、私の中の何かが切れた気がした。



“こんな人”?
“趣味が悪い”!?


ふざけんじゃないわよ!

アナタに言われたくないわ!!



私は愛斗を部屋へ入れさせると彼女に詰め寄り、日頃の鬱憤を晴らすようにまくし立てた。


半分は八つ当たりだったかもしれない…。



唇を噛み締めて走り去っていく彼女を見届けると、くるりと180度体を反転させた。


そして、キョトンとしたままのショージさんを睨みつける。



その可愛い顔にはもうほだされないわ。


元凶は間違いなくアナタなんだから!


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