ありのままの、あなたが欲しい。
日の光を受けてキラキラとベージュに輝く真っすぐな髪の毛が真っ先に目に入る。


そして、透き通るような白い肌にたんぽぽのような柔らかい笑顔を浮かべて挨拶をしてくれる


……はずだったのだが。



「ショージさん!!ちょっと来て!」



焦った様子の藤咲さんに開口一番そう言われた俺は、驚いて唖然としたまま固まった。


今日は何事だ…!?



「早く!虫が!!」


「む、虫?」


「とにかく来てください!お願い!!」



必死に懇願する彼女に手を引っ張られ、俺は訳がわからないままサンダルを突っかけた。


そして彼女の玄関に足を踏み入れる。


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