ありのままの、あなたが欲しい。
「おはようございます。ミーティングを始めます」
利用者さんの介助などの用事がない職員が集まった事務所で、いつものように朝のミーティングが行われる。
そこへ乱入してきた利用者さんがご丁寧に全部の電気を消していって、皆でため息をつきながら苦笑するのもいつもの光景だ。
作業割りの紙を眺めながら、新しく入るらしい利用者さんの情報に耳を傾ける。
「この方はお母様が主に面倒を見ていらっしゃるようで、情緒不安定になると酷い時は暴れて手に負えないことがあるそうです。
なので、男性の職員さんに主についてもらうことになるかと思いますが……」
こういう利用者さんも少なくないんだよな。
話を聞きながら軽く頷いていると、横から亜優がコソッと耳打ちしてきた。