ありのままの、あなたが欲しい。

真っ暗で静かな自分の部屋に戻ると、急に侘しさが襲ってくる。


とても楽しくて有意義な時間を過ごせたはずなのに、俺の心はどこか暗い影を落としていた。



頭の中には、さっき一瞬見ただけの三人の姿が離れない。


すごく、すごく幸せそうだった。


…旦那さんも、とても優しくて誠実そうで。


彼女が選んだ人なのだと思うと納得する。とてもお似合いだったから。



納得しているのに…
心はもやもやして不快で仕方なかった。



今まで彼女に旦那がいると思っていても何も感じなかったのに…

実際その姿を見ただけで、胸に感じるこの鈍い痛みは何なのだろう。


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