ありのままの、あなたが欲しい。
辺りを白く覆っている無数の結晶達に、太陽の光が反射してキラキラと輝いている。


爽やかな青空と、汚れのない純白の雪が魅せる自然の絵画。


辺り一面、冬景色。



乾いた冷たい空気が肌を射す2月の初旬──


私達は高台にある比較的大きな霊園に訪れていた。



「今年もあなたの好きな季節がやってきたね…」



雪が被った一つの墓石の前に立ち、ぽつりと呟くと、


「ぼくも冬好き~」


と言って、愛斗がまた雪で遊び始める。


その無邪気な姿に、私は優しく微笑んだ。


< 2 / 395 >

この作品をシェア

pagetop