ありのままの、あなたが欲しい。
知的障害の人がどこかへ行ってしまったケースは、他の施設で度々聞いていたがここでは初めてだ。


最悪の場合、事故に遭ったり、何日も行方不明になってそのまま…なんて事態にもなりかねない。



その最悪の事態に陥ってしまった人を

──俺はよく知っている。



不意に、この間の公園で夏芽さんと話したことを思い出した。



『ショージさんは、どうして支援員の仕事をしようと思ったの?』


『…守りたかったから、かな…』




──そう、俺は守りたいんだ。


障害を持った人達が“あの子”のようになるのを防ぎたい。


だから絶対に見つけ出さなければ──。



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