聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「はっ、ぅえ?」

「だからいいんじゃねぇの? 弘樹は“ダメかも知れないけど”って言ってたんだ。告白する前から振られるのは覚悟出来てるじゃん」

「……それは、確かに……」

「だったらあとはその和って人に事情説明して、やんわり振ってもらえばいい話だろ?」

「……」


 ついさっきまでホントどうしようって悩んでいたのに、あっさり答えが出てしまって何だか呆気に取られた気分だ。


「で? 他には何かあるのか?」

 そう聞いてきた黒斗に、あたしは首を横に振る。


「じゃあ話はこれで終わりだな?」

 そう言った黒斗があたしににじり寄ってきた。


「え? な、何?」

「ん? 今日の分の報酬頂こうと思って」

「へ? 今日のって、うわぁ!?」

 聞き返そうとしたあたしはその瞬間黒斗に組み敷かれた。


「ちょっ!? 今日の分って、今日は特に何も無かったじゃない!」

「あったろ? 昼休み」

 言われて、昼休みのときを思い出す。


 食堂でお昼を食べて教室に戻る途中、階段の辺りで踏み外した生徒があたしのところに倒れてきた。
 確かにそのとき黒斗に助けてもらったけど……。
 

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