聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

幕間 黒斗



 目を開くと、そこには誰よりも愛しい女の顔があった。


 次いで、部屋の中が薄暗いことに気付く。

 どうやら眠ってしまったらしい。


 これだけ暗いってことは夕飯の時間はもうとっくに過ぎてしまっただろう。

 先輩達が呼びに来たかも知れないけど、気付かないほど熟睡していたみたいだな。


 でも仕方ないか。

 普通に体育祭を終えた後、あんな全速力で走り、その後にこの行為……。

 そりゃあ疲れも出る。


 特に、友は疲れただろう。


 俺は腕の中に納まっている友を優しく抱きしめた。


 この小さい友には、今日の運動量は多すぎるくらいだったろうから……。





 学園近くの野原で、友が俺に手を差し伸べて、自分が希望の光になると言ったとき……。


 俺は、本当に光を見た気がしたんだ……。


 バカだと言われ、人とちゃんと向き合えと言われたときは、正直怒りを感じた。

 そんなこと、とっくに分かっていたんだ!

 分かっていても、やっぱり他人を信じる気持ちにはなれなかった。

 殻から出て来いと言われても、その一歩を踏み出す気にはなれなかった。


 でも……。



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