聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「いや……まだちゃんと決まったわけじゃないんだけどね……」
一人で勝手に喜んでいたあたしに、雪さんが苦笑いしながら申し訳なさそうに言った。
「へ?」
とマヌケな声を出したあたしに怜さんが説明してくれる。
「まだそういう話があるってだけよ。……社長がね、私と雪さんの二人で組んでやってみないかって」
そこまで言った怜さんの言葉を雪さんが引き継ぐ。
「そうそう。それでこの夏休みでやっていけるかどうか判断するらしいわ」
「そうだったんですか……」
じゃあ、雪さんと怜さんにとっては今が数少ないデビューのチャンスなんだ。
頑張ってほしい……。
あたしに、何か出来ることって無いのかな……?
そんな思いを巡らせていると、雪さんが「だーかーら!」と辰也先輩に向き直って言った。
「そういうわけだから、スケジュール変えるのなんて無理! 辰也はしっかり一人で勉強してな!」
キッパリと雪さんは言う。
そんな雪さんに辰也先輩はもう駄々をこねたりはしなかった。
その代わり――。
「分かった」
と言って辰也先輩は雪さんの腕を掴む。
「それじゃあ夏休みいっぱい我慢できるように、今のうちにしとく」
「へ? あんた何言って!?」
雪さんが聞き返しているのも無視して、辰也先輩は自分達の部屋の方へ雪さんを引きずりながら行ってしまった。
一人で勝手に喜んでいたあたしに、雪さんが苦笑いしながら申し訳なさそうに言った。
「へ?」
とマヌケな声を出したあたしに怜さんが説明してくれる。
「まだそういう話があるってだけよ。……社長がね、私と雪さんの二人で組んでやってみないかって」
そこまで言った怜さんの言葉を雪さんが引き継ぐ。
「そうそう。それでこの夏休みでやっていけるかどうか判断するらしいわ」
「そうだったんですか……」
じゃあ、雪さんと怜さんにとっては今が数少ないデビューのチャンスなんだ。
頑張ってほしい……。
あたしに、何か出来ることって無いのかな……?
そんな思いを巡らせていると、雪さんが「だーかーら!」と辰也先輩に向き直って言った。
「そういうわけだから、スケジュール変えるのなんて無理! 辰也はしっかり一人で勉強してな!」
キッパリと雪さんは言う。
そんな雪さんに辰也先輩はもう駄々をこねたりはしなかった。
その代わり――。
「分かった」
と言って辰也先輩は雪さんの腕を掴む。
「それじゃあ夏休みいっぱい我慢できるように、今のうちにしとく」
「へ? あんた何言って!?」
雪さんが聞き返しているのも無視して、辰也先輩は自分達の部屋の方へ雪さんを引きずりながら行ってしまった。