聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 あたしは一度深呼吸して黒斗に声を掛ける。


「着替えたよ。話、聞いてくれるんだよね?」

 あたしの声に振り返った黒斗は、何とも言えない表情で「ああ」と答えた。




 一応カギを閉めてから、あたしは説明を始める。


 あたしの母親が芸能事務所の社長をしてるところから、この学園に入学することになったくだりまでを出来る限り簡単に。

 そしてジュエルが皆女で、一部の先生とナイトだけがそれを知ってるって事も。


 全てを話し終えると、黒斗は壮大な映画でも見た後のようなため息をついた。

「なんかスゲェな。……そんなこと本当にあるのか」


 そうだよね、普通しないよねこんな無茶なこと。


 あたしはお母さんの非凡さを再確認してしまった。



「で? やっぱり黙ってた方がいいんだよな?」

 そう聞き返してきた黒斗に、あたしは思い切ってお願いしてみる。


「あのさ」

「ん?」




「あたしのナイト、なってくれないかな?」


「え?」

 少し目を見開いて驚く黒斗に、あたしは続ける。


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