聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「友にちょっかい出してたら弘樹に教室追い出されたんだよ。で、仕方ねぇからこっち来てみたわけ」


 それを聞いて俺は弘樹に感謝した。

 ちゃんと俺の代わりしてくれてんだな。


「……それにしても高志も友のこと好きだったんだな? ま、もう諦める気でいるみてぇだけど」

 そう言った拓馬は、俺に小悪魔的な微笑を浮かべる。


 俺はコイツのこういうところが特に嫌いだ。

 ……どことなく俺に近いように見えるから。


「俺は諦めないぜ? スキがあればすぐにでも奪ってやる」

「誰が奪わせるかよ」


 俺達は、その裏庭でしばらくの間異様な雰囲気で睨み合っていた……。


< 260 / 364 >

この作品をシェア

pagetop