聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「あー、そんな落ち込むなって」

「そうそう。お前以外にも騙されちまった奴はいるんだから」

 黒斗と拓馬の二人は、今度は共同して高志を慰めはじめた。


 何なんだこいつらは……。


 そう思って一つため息を吐くと、あたしも高志を励ます。

「そうそう、それにオレと遊びに行くだけならいつでも出来るだろ?」

 そう言ってポンポンと高志の肩を叩く。


 高志はそんなあたしをじっと見て、「そうだな……」と力なく呟いた。


 あれ? 予想してた反応と違う。


 高志ならすぐに元気になって明るく「そうだな」って言うと思ったのに……。


 ちょっと驚いていると、高志は肩に置いていたあたしの手を取って黒斗を見た。

「なあ黒斗。ちょっと友借りていいか? 変なことしねぇからさ」

 その申し出に、黒斗はちょっと迷ってから頷く。

「……ああ」

「ワリィな……」

 二人でそう言葉を交わすと、あたしの意志も関係なく高志はあたしの腕を引っ張って行った。

 あたしは戸惑いながらも、様子のおかしい高志についていく。


 黒斗が許可したんだから変なことにはならないと思うけど……。

 高志、どうしたの……?


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