聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 そんなふうに思っていると、丁度部屋のドアをノックする音がした。


 コンコン


「はい?」

「あ、俺。黒斗」

「黒斗!?」


 あたしは丁度良かったと思ってドアを開ける。


「悪ぃな、こんな遅くに」

 申し訳なさそうに言う黒斗。


 確かに深夜に近い時間だけど、あたしは謝罪もしたかったし黒斗を部屋の中に招き入れた。


「いいよ、こっちも用があったし。入って入って」

 あたしはそう言って先に中に戻る。

 テーブルに置いてあったカップやらを片付け、話しやすいようにテーブルを挟んで座った。

「で? どうしたの?」

「いや、お前の用事が先でいいよ。……何?」



 そう言われて、あたしは少し口ごもる。


「えっと……ごめんね? こんな直前になってから選んじゃって。すっごいバタバタしちゃったでしょ?」


 本当に申し訳ないと思って肩を縮込ませるあたしに、黒斗は優しい言葉をかけてくれる。



「んなの仕方ねえだろ? 俺に女だってバレちまったのが直前だったんだから」

 そうして「気にすんな」と頭をポンと軽く叩いた。


「ん、ありがと」

 本当に黒斗がナイトでよかった。


 そう思って笑顔を向ける。




「で、黒斗の用事って何?」

 あたしの話は終わったから、今度は黒斗の番だ。


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