聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

 ま、気持ちは分からなくもないけど……。


 でも少女は明らかに迷惑そうな顔をしている。

 俺は何となく……助けたやりたいって、思った……。



「あんたら、俺の女に何か用?」

 気付いたらそんな言葉が口をついて出た。


 男たちは無理にでも少女を連れ歩きたいわけじゃないみたいだったから。

 どっちかって言うと可愛いから声掛けて、出来るならメアドとTel番交換したいってトコだろう。

 男がいると分かればいなくなってくれる可能性はある。


 ……ただ、少女が俺のことなんて知らないと言ってしまえばそれも失敗に終わるが。

 でも、少女は目を丸くしただけで何も言わない。

 だから俺は安心して彼氏のフリを続けた。



「何? お前この子の男?」

 二人のうち一人が俺を見て聞いてくる。


「だからそうだっつってんだろ!?」

 不機嫌を装って言うと、もう一人の男がチッと舌打ちした。


「何だよ、彼氏いるんじゃん。そーゆーコトは早く言えよな」

 そうして二人は「あ~あ」とため息をつきながら去って行った。


 俺は予想通りの展開になって内心ホッとする。

 流石につかみ合いとかになったら俺のほうが明らかに不利だから。


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