聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 話していた途中だったからあたしの唇は開いていて、黒斗の舌がすぐに侵入してくる。

 乱暴な、優しさなんて欠片も無い苦しいキス。


 いやっ……!


 すぐに抵抗を試みたけど、何の意味もなさない。

 押しのけようと黒斗の胸を叩いてもびくともしない。

 顎を掴まれている手を外そうと、腕を引っ張ってもちっとも動かせない。


 そうやって流石に抵抗を諦めた頃、黒斗が一度唇を離した。


「高志なんかに簡単に奪われちまってさ。お前、本当にバカだよ」

 そう言った黒斗は、さっきよりは少し優しかった。


「今日あの先輩から助けてやった分の報酬、キスだけにしてやるからさ、俺の気がすむまで黙ってろよ……」

 そして今度は優しいキス。

「んっ……ふぅ……」


 優しいキスはずるい……。

 抵抗しようとする気持ちを消してしまうから。




 あたしは黒斗のなすがままにされた。


 腰にも手をまわされ、抱き締められながら……優しいキスがしばらく続く……。



 
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