大好きでした。

｢お前、これどーした!?｣

｢いやぁ…。さっき先輩に言われたとおりに走ったら途中で転けちゃって…。｣



困ったように笑った私を見て先輩は悲しそうに顔を歪めて屈んだまま私に背中を向けた。



｢乗れ。｣


｢え…。｣


｢早くしろ。保健室行くぞ。｣


｢だ…大丈夫です!!一人で行けます!!｣


｢お前悲鳴あげるくらいいてぇんだろ？｣


｢もう大丈夫です!!行けます!!｣



そんな言い合いをしていてついに先輩が折れた。


｢なら、早く行けよ。授業始まっちまうぞ。｣


｢はい。心配してくれてありがとうございました。｣


そう言った私を見て先輩は去っていった。
それを確認して痛みに堪えながらゆっくり歩き出した。



｢いった…。｣



やっぱり歩くたびに痛みがはしる。
唇を噛みしめて歩き出した。
いつの間にか涙が出てて涙を拭いながら歩く。