君へ

第4章

*下校途中*

「空乃〜!!!!!!」

「太陽…」

「どーした?元気ないけど」

「家帰りたくない…」

「何で?」

「…」

「大丈夫か?」

「…あ、大丈夫…ごめん、あたし家こっちだから…また明日ねっ」

タッタッタッ…

「………」


*公園*


「はぁ…」

ちょっと態度悪すぎたかな…

あれでも結構優しく言ったほうだと思うんだけど…

あんなメール見てからじゃ普通に話すなんて無理だよ…

それは太陽があたしを呼ぶ5分くらい前のこと。


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〜〜〜〜♪

ん?

「メールだ…」

カタッ

『空乃へ
もう帰ったかな?
お帰り。
今日、お父さんが倒れて入院したの。
しばらく私も帰れないから、2週間くらい一人で留守番しててくれる?
ご飯は用意してあります。ではまた返事下さい。
お母さんより』

「そんな…」

あたし一人は寂しくて苦手なのに…

よりによって2週間も一人なんて…

無理だよ…


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それがさっき起こったこと。

ほんとどうしよう…

「……っ乃!?」

え…?

「空乃!!」

「たっ太陽!?!?」

何で…!?

「良かった(笑)やっぱここだったんだな」

「何でここが解ったの!?」

「空乃言ってたぢゃん。家にいたくない時はいつもここに来てるって」

"家にいたくない時とかはいっつもここに来てるから"

「おっ覚えてたの…?」

「当たり前っしょ(笑)」

「…っ……っ……うっ…」

「えっ!?あっごめん(汗)もしかして俺泣かせちゃった!?」

「ううん…っ…うっ…ちがっ…うよ…っ…」

「何かあったなら聞くって…俺に出来ることなんて限られてるけど」

「ありがと…」


・・・・・・・・・・・・


「あたしのお父さん…今日入院したの…」

「入院…?」

「うん…お父さん、アルコール依存症なんだ。依存症って治らないんだよね…だからあたしはどうすることもできない…っ…」

「空乃…」

「あたし、もうどうすればいいかわかんないん…」

ギュッ

「太…陽…?」

「何言ってんだよ…」

「……」

「俺がこんなこと言える立場ぢゃないけど!空乃が家族守らないでどーするんだよ!!お母さんとお父さんは、きっと今も心で泣きながら助け求めてるんだぞ!?」

「あたしを…?」

「だから…諦めんなって…」

「太陽…うっ…っ…」

「今は泣きたいだけ泣け。泣き止むまで俺が抱き締めてやる…。後、寂しくて耐えられないときは俺にメールしろ。いつでも返事するから…」

「ありがと…っ…ありがと…」

あたしはその後もしばらく泣き止むことはなかった。
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