死が二人を分かつまで
「分かった。もうお前とは、伯父でも甥でもない」


「伯父さん…」


「気安く呼ぶな。あとは勝手にすれば良い。ただ、大学だけは卒業しろ。その為の費用はもう工面してしまっているんだからな」


そこで広は顔を歪めて笑った。


「まさか辞めたりしないだろうな?歌なんかで食って行ける訳がない。大学中退なんかしたら、自分で自分の首を締めるぞ。俺達に恥をかかせたくなければ卒業まで通え」


「その点に関しましてはお任せ下さい。学業に差し支えがないよう、マネジメントして行きますので」


津田は事務的に答えた。


「……持てる荷物を持って、この家から出て行け。他の物は後でアパートに送りつける」


「分かりました」


「さとしちゃん」


知子が声をかけたが、さとしはただ淋しそうに微笑んだだけで、そのまま2階へと上がって行った。


「あなた、良いんですか?」

「良いも悪いも無いだろう。まったく、わがままな奴だ」


津田はしばらく無言でいたが、二人に改めて向き合うと、おもむろに語り出した。
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