死が二人を分かつまで
そこに自薦他薦問わず、売り込みをする内容のメールがコンスタントに寄せられていて、マネジメント部門の長が目を通す決まりになっていた。

ほとんどのものは目を通してすぐに消されてしまうが、時たま、部長の心の琴線に触れる情報もあり、それについては後日定例の会議にて部署内の全員に周知されるようになっていた。


金子はその上司に命じられ、メールの内容を元に、会議用の資料を作っているのである。


そして最近、その情報の中に、たびたび同じ人物が登場していた。


名前までは判っていないが、活動している場所、文面に記された外見の特徴などから同一人物であろうと推測されている。

また、中には写真を添付してくる者もいて、そこには案の定同じ人物が写っていた。


見るからに隠し撮りと思われるアングルで、肖像権の侵害など色々と問題はあるのだが、しかし、それらを拒絶していたら有益な情報など得られない。


ストリートで活動しているということは、どこかの事務所が接触してくる事も想定しているだろう。


いや。むしろ、それを期待している可能性の方が高い。


そういう相手なら、芸能事務所にいつの間にか自分の写真や情報が送られていたからといって、訴えるような事はしないだろう。
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