死が二人を分かつまで
その言葉に、さとしはとても不思議そうな表情になった。


「……ほんと、大丈夫ですよ。僕、もう成人している男ですから」


言いながら、さとしはニコッと微笑む。


「え?あ、そ、そうだね」


進藤はうろたえた。


何故さとしを女性のように扱ってしまったのだろう。

小夜子の話をしていたので、脳が混乱を起こしたのだろうか。


するとその時、ふいにさとしはジーパンのポケットを押さえながら立ち止まった。


マナーモードにしていた携帯電話が震えたのだろう。

実際、微かに振動音が聞こえて来る。


それを取り出し、ディスプレイを見ると、さとしは進藤に視線を向けた。


「津田さんからです。すみません、出ても良いですか?」

「うん、もちろん」


進藤に頭を下げつつ、さとしは携帯電話を耳にあてた。


「はい。小谷です」

『あ、さとし?突然だけど、明後日事務所に来られるか?』


内容までは把握できないが、津田の声がザワザワという雑音となって進藤の耳まで届く。


「タグチプロダクションに、ですか?」
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