死が二人を分かつまで
『ああ。色々書いてもらいたい書類があるし、今後の事も打ち合わせしないとな。夕方の5時に。1時間くらいで済むからさ』


「分かりました」


『それでさ、悪いけど、俺迎えに行ってやれないんだよ。現地集合で良いか?』


「はい。行き方を教えていただければ。えっと……」


さとしの様子を見てメモを取りたいのだろうと察した進藤は、壁際のチェストの上にあるメモ帳とペンを右手で示した。


「あ、ありがとうございます」


礼を言いつつさとしがチェストに近付きペンを掴むと、電話の向こうの津田が問い掛けて来た。


『ん?傍に誰かいるのか?』


「はい。今、進藤さんのお宅にお邪魔しているんです」

『はぁ!?』


津田は素っ頓狂な声を発した後、一瞬黙り込んだ。


しかし、すぐに猫撫で声でさとしに問いかける。


『……ちょっと、進藤さんに代わってもらえるかな?俺も挨拶したいし』


「あ、はい。分かりました。進藤さん、津田さんが代わって下さいだそうです」


「え?俺?」


戸惑いながらも進藤は電話を手にした。


「もしもし?」
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