死が二人を分かつまで
そう言われてしまってはもう断るのは難しい。


津田は瞬時に頭の中でスケジュールを組み立て、タグチプロダクションから徒歩5分ほどの距離にある、某大手チェーンのファミリーレストランで落ち合う約束を取りつけた。



最初は事務所まで来てもらうつもりだったのだが、知子の方から「できれば外で…」と申し出があったのだ。


芸能事務所の中に入るのは、何となく気後れするのだろう。


津田がファミレスに到着し席に着いてしばらくすると、待ち合わせをしている旨伝えておいたウエートレスが、知子を席まで案内してきた。


「お忙しいのに我が儘言ってしまって、本当に申し訳ないです」


腰を下ろした所で、知子は改めて謝罪してくる。


「いえ、とんでもないです」

「あの、さとしちゃんは元気でやってますでしょうか?」

「ええ。元気ですよ。何なら今、連絡取ってみましょうか?」

「あ、結構です。多分この時間帯は大学でしょうし、今日は津田さんにお話があったので」



ウエートレスがオーダーを取りに来て、とりあえずドリンクバーを二つ頼んだが、知子は立ち上がる気配を見せず、すぐに本題に入った。
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