死が二人を分かつまで
津田はソファーに寝転んだままそれを受け取り、中身を引き出す。


保証人の欄に誰かのサインをもらわなければならないので、さとしに預けておいたのだ。

記入次第届けるように言っておいたのだが、思ったよりも早かった。


「やっぱ進藤に頼んだんだな…」


書類を見ながら津田はポツリと呟く。


「下の名前は健一っていうのか」


見かけ通りの真面目そうな名前だ、と思いつつ書類を封筒に戻し、金子に渡した。


「いつも通り、データ入力してファイリングしといてくれ」


「了解です。あ、それと津田さん」


「今度は何だよ」


津田は若干イラつきつつ返答した。


『こっちは眠気がピークなんだから、早く寝かせてくれよ』


「【さとし】君て、どういう字ですかね?ひらがなで書いてあるんですけど」


「……だから、平仮名で【さとし】だろ」


「あ、何だそうか。漢字で書くのが面倒だから手抜きしたのかと思った」


「こういう書類で手抜きする訳ねーだろ」


『馬鹿かこいつは…』


「でも良いなぁ。簡単な字で。オレなんか【薫】なんてつけられちゃったから、子どもの頃中々書けなくて苦労したんですよ」
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