死が二人を分かつまで
男の自分でさえそう思うのだから、若い女性はさらに敬遠する事だろう。


そんな事を考えながら道を戻り、津田は進藤のアパートへと向かった。


チャイムを鳴らすと、ほどなくしてドアが開く。


「よう」


「え?津田さん!?」


進藤は驚き、津田を凝視した。


「言っただろ。さとしの立ち寄る場所は把握しときたいって。下見に来たんだよ」


進藤はポカンとしたままである。


「まぁ、立ち話はなんだからお茶でも」


津田は自分でそう言いながら進藤を押し退けて勝手に上がり込んだ。


「あ、ちょっと」


進藤の呼び掛けを無視し、キョロキョロと視線を配りながら廊下を進み、リビングまで辿り着くと、津田は満足そうに頷いた。


「よし。今日はさとしは来てないみたいだな」


「だから、あの時はたまたまで……」


会話の途中で津田が上着の内ポケットを探り出したので、進藤は先手を打った。


「俺はタバコは吸わない。部屋が汚れるからな」


「あっそ」


津田はあっさりと諦め、そのままドサリとソファーに腰を下ろす。


進藤はため息をつきつつキッチンに向かった。
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