死が二人を分かつまで
「ううん。それぞれが色んな人に声をかけるから、みんなほとんど初対面らしいわよ」


要するに合コンらしい。

今回は今までとは少し趣向が違うようだ。


知り合いの娘さんだのパート先の事務員さんだのと、『食事をしないか』『お芝居を見に行かないか』と今までにも色々と誘われ続けて来た。


もちろん、興味がないのですべて断ってきたが。


しかし、男女を引き合わせて縁を結ぶことに生き甲斐を感じる女性というのは本当にいるのだなと、彼はつくづく感心してしまう。


自分には一銭の得にもならないというのに。


小さい時から「世話好きなおばさん」という言葉は良く耳にしてきたが、自分も関わることになるとは夢にも思っていなかった進藤である。


「えっと、それっていつなんですか?」

「再来週の日曜日ですってよ。夜6時から」


「あ、じゃあダメですね」


彼はあえて意識して眉尻を下げてみた。


「その日は接待でお得意先の人と食事なんですよ。残念だなぁ」
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