死が二人を分かつまで
「結論から先に申し上げますと、津田さんの想像通りで間違いないと思われます」

津田は体を強張らせた。

目には見えない何かが、全身に重くのしかかる。


しかし、すぐにそれを払いのけ、津田は目の前のテーブルに置かれた報告書を手に取った。


さとしの誕生日を知った時、津田は引っ掛かりを覚えた。


それはそうだ。

5月では、計算が合わない。


進藤の話によれば、小夜子がどこかの誰かと共に姿を消したのは昭和最後の体育の日の直前。


つまり、今から21年前、昭和63年の10月10日以前という事になる。


津田は当然、小夜子は新しい生活に入ってからさとしを身篭ったのだと考えた。


そうすると、子どもが産まれるのはどんなに早くとも翌年の7月以降になるのではないだろうか。


また、最初に駅前広場でさとしに会った9月下旬、年齢を尋ねると20歳であると答えた。


ということは、さとしの誕生日はあの時点より前という事になる。


以上の事から、津田はとっさに、さとしの誕生日は平成元年の7月から9月の間であろうと計算していたのだ。
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