死が二人を分かつまで
そう呟きながらも、その人物が誰なのか、進藤にはすぐに予想がついた。

周りの住人が起きてしまう。


手早く衣服を身につけると、進藤は玄関へと急いだ。


チェーンを外しドアを開けると、思い描いた通り、そこには津田が立っていた。


彼は視線を下に移してさとしのスニーカーを認識すると、いきなり飛び込んで来た。


「おい、勝手に……」


進藤の言葉を無視し、乱暴に靴を脱ぎ捨てて上がり込むと、津田は廊下を突き進む。


寝室のドアが開け放たれていたので、津田は必然的にそこで立ち止まり、室内を見た。


廊下からの明かりで、中の様子は充分に見て取れただろう。


雷に撃たれたかのように一瞬体を硬直させ、次いで津田はゆっくりと振り向いた。


「お前……」


顔面蒼白になっている。


確かに信じ難い光景かもしれないが、彼がそこまでの変化を見せた事に若干戸惑いながら、進藤は口を開いた。


「…あんたの忠告を無視した形になってしまったのは申し訳ない。けど、これは俺達の問題だ。他人にどうこう言われる事じゃない」
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