死が二人を分かつまで
津田と進藤は、共にさとしの病室を後にした。


進藤の病室を目指すべく、人気のない廊下を進んでいたが、その途中に設けられている談話スペースで津田が足を止め、窓辺へと近づいたので、成り行きで進藤も付いて行く。


「さて、俺も一旦帰って寝るかな」


窓の外を眺めながら、津田は大きく伸びをした。


しかし、それを言う為に自分をこの場に誘導したのではない筈だと、確信めいたものを抱きながら、進藤は言葉を発した。


「俺は……これからどうしたら良い?」

「何が」


進藤の問い掛けに、津田は振り向いた。


「俺は、さとしの傍に居ても、良いのだろうか?」


「あの事なら、言うつもりは無い」


質問に対しての答えにはなっていなかったが、津田の事だから、きっとこの後に理路整然とした解説が続くのだろうと、進藤は言葉の続きを静かに待った。


「お前が父親という事までは話すつもりではいた。最初はあちらも色々と複雑だろうし、厳しい言葉も投げ掛けられるだろうが、最終的にはあんたのような人格者が父親で良かったと、安堵すると思う」
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