死が二人を分かつまで
進藤は何となく、今日もさとしに会うような予感がしていた。
しかし、駅の構内にも広場にもさとしの姿はなく、想像以上にがっかりしている自分に苦笑する。
今度会ったら、いつライブをするのか尋ねてみよう。
ぜひとも、もう一度あの歌声を聞いてみたい。
そんな事を考えながら目の前の横断歩道を渡ろうとしたが、信号が点滅し始めたのに気付き、彼は無理をせずに立ち止まった。
再び青に変わるのを待ちながら夕飯のメニューに頭を悩ませていると、突然、背後から左腕を掴まれる。
思わず体をビクつかせつつ振り返った。
「あ、あの」
予想していた通り、さとしが目の前に現れたので、進藤は心底驚いた。
「え?ど、どうしたの?小谷君」
「すみません。僕いま、そこの喫茶店である方と一緒にいるんですけど、進藤さんも来てもらえませんか?」
交差点の角、進藤が立ち止まった信号の前に、その店はあった。
「えっと……。どうして?」
「実は僕、芸能事務所にスカウトされたんです」
「え!ほんと!?すごいじゃないか!」
進藤は思わず興奮した。