藁半紙の原稿




「霎…介さん……」

「ん?」




やっとの思いで渇いた喉から搾り出し出した声にも、なんでもないことのように返事を返す彼が恨めしい。

その事を責める心持ちで俯きながらも横目で彼を睨むと、こちらが気後れするほどの優しい目でこちらを見るその瞳と対してしまって、私はまた俯くしかできなくなってしまった。




ズルイ……





私が口の中で呟いた言葉が霎介さんに届いたのかどうかはわからないけれど、彼は「真っ赤だ」というどこか楽しそうな声音と一緒にその骨張る手の甲を撫でるように私の頬に触れさせた。




その少し体温の低い手に僅か頭を預けるように傾ける。

すると、不思議にも周りの賑わいが僅か遠退いたような感覚がした。







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