ヒーロー・ズ・ストーリー
だが本当にその男の言ったとおり、大丈夫だった。
壁にぶつかると思ったが何も感じなかったのだ。
どうやら壁を通り抜けたらしい。
そしてつぶっていた目を開けるとそこは、もう黒い世界では無くなっていた。
広く広大な草原が広がっていたのだ。
「え…ここって…」
「ここは【アビスプレス】愚かなる者のための場所だ」
やはり…あの少女が言っていたアビスプレスという場所なのか。
「…よし、もうこの辺でいいだろう」
そう言って男は黒い生物に
「もう元の場所へ戻っていいぞ」
とささやいた。