天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ
それでも小夜も、我慢強いし心根は優しい方だ。

決して文句は顔に出さず、逸男に合わせる。

そんなものだから、多分逸男の中では、小夜も自分に好意を寄せていると思っているだろう。

好意を持っていないとしても、彼の性格なら押し切るだろうが。

小夜一人ならばこのまま押し切られてしまっていたかもしれない。

…しかし、今朝は様子が違った。

午前8時、天神学園。

小夜と逸男が校門前に差し掛かると。

「!」

やたら目付きの悪い男子生徒が、更に目付きを悪くして立っていた。

天神学園ではお馴染み、スペシャルバカの丹下 龍太郎(たんげ りゅうたろう)だ。

彼は逸男を見つけるなり。

「!!!!!!」

いきなり右の正拳突きで殴り飛ばした!

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