★始まりはいつも☆
一斉に視線が私に集中する。
不安で一歩だけ下がる。
背中に当たる衝撃に、顔だけを振り向かせば無言のままの瑠樹が私を見下ろしていた。


「……なにを」


これって、前門の虎、後門の狼っていうのじゃない?
わたし……逃げ場を無くしてる。

どうして強く違うんだと言えなかったんだろ。


「大丈夫。こんな奴ら、梓、出ることない」


瑠樹が私の肩に手を乗せる。
不安に押し潰されそうだった心に小さな光が射し込む。


「そうですよ。俺らでも片付けられますから」


千歳が指を鳴らしながら前へと出る。
な、なんか争いの雰囲気がある。

私としては自分も大事なんだけど、もっと争いは大嫌い。


「止めて」

「……梓?」

「争った姿は見たくない」


誰かが傷付いてるのを見るのは嫌だ。
それが知り合った人なら、特に心が苦しい。


「……梓。分かりました。ここは俺に任せてください。大丈夫です、怪我はしませんから」


あれ、なんか勘違いしてるようだけど……。
何を勘違いしてるのか分からなくて、瑠樹が私を担いだため、頭が真っ白になった。
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