★始まりはいつも☆
えっと……。
言葉に出したかったけど、出すことが出来なかった。


「中井……梓」

「あずさ……か」


これで流石にバレたでしょう。
もしかしたら、なんで言わなかった? って怒られるかもしれない。


「じゃ名字では呼ばないな」


へっ?
あ、さっき吉良が言わなかったでしょ? って言ってたところを考えた。
もしかして、中井って人、名前を言わなかったんだろうか。


「……う、ん」


続けて言葉は浮かばなくて、たどたどしい日本語となった。
これ以上の会話は、一人の青年により止まることになった。


「……千歳さん!!」

「なんだ、騒々しい」

「Rが……、Rが街で暴れてます!!」


アール? なんかの暗号かと思ったが、三人は顔を歪ませることなくニヤリと笑った。

なんだか嫌な予感がするのは私だけじゃないはず。
けれど、この空間でまともな人は私だけ……。
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