夏休みのTシャツ
「どうしよう、恭ちゃん、口、聞いて、くれない。いつも、みたいに、怒って、くれ、ない。」



「大丈夫だよ。恭もさ、悔しいのこらえてるんじゃない?女の子の前じゃ泣けないでしょ?
スキナコノマエジャトクニ。」



「えっ?」

「いやっ。なんでもないよ。」


(先輩の何気無い一言を、あたしは最近まですっかり忘れてた。)


「でも、もう、ダメ、かも、しれない。やっぱり……」


「もう泣かないでよ。」

言葉と同時に頭がふわっと重くなった。



「やっ、先輩?」



先輩の手があたしの頭をポン、ポン、と優しくたたく。




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