恋色カフェ
別段、露出が多い訳でもないし、フリルがついたような、いかにも女の子っぽい格好っていう訳でもない。
シックな色合いで、甘さをおさえたこのワンピースは、この間お気に入りのショップで一目惚れして、特別な時に着ようと思ってただけ。
「無意識だとしたら、たちが悪い」
ふぅ、と隣から小さく息が吐き出された音がする。
「たちが悪いって、」
「そろそろ着くよ」
反論したくて発した言葉は、あっさり遮られた。
ゆるりとかわせず、反論しようとしている段階で、余裕のなさを露呈してしまっているのと同じかも、なんて、今更。
ニヤリと口角を上げた、意地悪な顔が視界に入り、私は視線を背けた。
やっぱり、この人には敵わないんだろうか。