恋色カフェ
──必死だな、私。
ため息が吐き出される寸でで、堪える。
いつも余裕なこの人をしっかり捉まえたら、スルリと抜けられそうな気がするからだろうか。
少しでも優位に立ちたくて、余裕だと見せたくて、私はほんの少し、強がってみせる。
「その格好、」
「、え」
「俺に“襲って下さい”って言ってるようなもんだけど」
私の頬を撫でる、骨ばった長い指。
ビクリと肩が跳ね上がったのは、その指先の冷たさにだけじゃない。
「別にそんなつもりじゃ……あ、信号青になりましたよ……っ」
実際、私の今の格好は、そんな風に見えるものじゃないと思うのに。