恋色カフェ
「雰囲気は、前とそれ程変わってないだろ」
「そうですね。お店見ながら、いろいろ思い出してました」
店長と会話をしながら事務所に入ると、そこにはやはり理英さんの姿は無く、机が寂しげにポツンと空いている。
「理英の席だった場所が、高宮さんの席になるから。これから改めてよろしく、高宮さん」
そう言って、店長は涼しげに微笑んだ。
……人の気も、知らないで。
思わず、心の中で独りごちる。
ダメだ──と。警告は常に、心の一番目立つところに掲げている。
なのに、それに逆らうように鼓動は早速音を立て始めてしまった。
「──で、そこの棚に書類があるんだけどさ」