恋色カフェ


仕方ないなー、という店長の声に、弾んだ声が重なる。2人で事務所を出たらしく、扉がパタリと閉まる直前には、遠くの方で2人の笑い声が聞こえた。



はー……。

吐きたくないと思いながら、また長いため息が吐きだされる。多分、そうしなければ胸が苦しくて仕方ないんだ。



店長と万由さんが、今夜ここで2人きり──。


ズキリと鈍い痛みを覚えた、心の奥底の方。

どうしようもない感情が、行き場を無くして、またため息となって吐き出される。



いっそ、再会しなければ良かった。


こんなに、苦しくなるのなら。



3年前よりも今の方がずっと、苦しくて堪らない。


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