恋色カフェ
「だって……ねぇ」
「だよなぁ」
「本当は、座る人は別にいたんだけど」
みんなが口々に呟いた言葉は、店長にも聞こえているのだろうか。
店長の方を盗み見たつもりが、不用意に万由さんの嬉しそうな顔が目に入って、私は慌てて視線を逸らした。
「先週一週間、みんな本当にお疲れ様でした。じゃ、乾杯!」
店長の音頭で、みんなそれぞれに飲み始める。隣の勝沼君は乾杯と同時に、男性スタッフに連れていかれてしまった。
(結局、一人か……)
店長は近くのスタッフと談笑しているようだ。
この私の状況に、気づいてほしいような、気づかないでほしいような。複雑すぎて、今の心境は自分でも説明できない。