恋色カフェ
「──で、俺の席はどこ?」
店長と万由さんが姿を現したのは、それから10分程経った頃。
店長には上座と言える、入口から一番遠い席が空けられていた。
私が座っている場所からは、かろうじて姿が見える位の距離だ。
「じゃ、私は自動的にここになるんだね」
そう言って万由さんが手を掛けたのは、店長の隣の席。
不自然に空けられたそこは、勝沼君が私を隣に座らせても、最後の抵抗とばかりに誰も座らなかった場所。
「それにしてもこの状況って……俺の隣には誰も座りたくなかったってことかー?」
冗談のつもりで言った店長の言葉は、その場に静寂を生んだ。