恋色カフェ
「何、だ……それ」
不覚にも声に動揺が雑じり、森谷は心の中で舌打ちをした。
「本当に何も聞かされてなかったんすね」
勝沼はまた、少しの嘲笑を見せる。
ふと、凭れた彼女の前髪をはらい、愛おしそうな顔を見せる勝沼に、森谷は苦虫を噛み潰す。
いつからだ────いつからこんなことになっていた?
「……どうして、高宮さんがみんなからシカトされなくちゃいけないんだ?」
彗がスタッフから嫌われる要因なんか、これっぽっちも見当たらない。少なくとも、俺がグアテマラに旅立つ前までは。
自分が居なかった間に、何が起こったのか。
森谷は堪らず、ポケットから煙草を取り出すと、近くにあった灰皿を寄せた。