恋色カフェ


呆れて、それ以上の言葉が出てこない。森谷はため息の変わりに、紫煙を吐き出した。



前半部分は“店長の女”という言い方が些か引っかかるが、それよりも問題なのは後半の部分。


──彗が、特別待遇?


そんなことをしたら、一番嫌がるのは彼女の方だとよく知っている。森谷の脳裏には、彗が3年前に勤めていた時のことが浮かんでいた。



「店長の女だから待遇も違うんだね、ってみんな勝手に熱くなってましたよ。

事務職はフロアやキッチン勤務よりも楽だろうと思われているから、尚更」

「楽な仕事なんて、アンバーには一つも無い」


そうっすよね。そう言った勝沼に森谷は違和感を覚えた。


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