恋色カフェ
「ここ、掴んでて。悪いけど、俺も高宮さんを抱えさせてもらうから」
「あのやっぱり……」
「それとも」
「……えっ」
「おぶわれる方がいい? それともお姫様抱っこ?」
「…………これで、いいです」
いよいよ観念したのか、彗はためらいつつも勝沼の服を掴む。
歩きますよ、と声を掛けてから、勝沼は彗を自分の方へと引き寄せた。
力が入らないらしく、歩く度カクンと、必要以上に膝が折れる。勝沼は彗を持ち上げるようにして、ゆっくり一段ずつ階段を上らせた。
階段を上りながら、消え入りそうな声でごめん、と零す彗。彼女を支えることよりも、それが勝沼にはキツかった。